スイーツ:余裕がなくて
- 文/木村倫子 写真/田中青佳
- 2015年2月15日
- 読了時間: 2分

私と手作り菓子との付き合いは短くて、 あれはよっぽど余裕があるときにやるものだと 長いあいだ思っていました。 そんな思い込みが、3年ほど前 相性のいいレシピと出会って変わりました。 美味しくできることはもちろん、材料と手順と洗いものが少ない。 やる気がしないと思っていた材料の計量も、一歩踏み出してみたら 普段使いの計量カップやキッチンスケールで難なくできてしまいました。 仕事が込んでくれば、流しに洗い物がたまるような生活をしていても 炊事をする時間があるなら、おかずのついでに スコーンだってプリンだって作れることが分かってみると、 手作り菓子に、まず“余裕”を感じていた自分が だんだん後ろめたくなってきました。 プレゼントにもらえば、いつだってちゃんと嬉しかったんだけどなぁ。 なんかもったいないことをしたなぁ! よっぽど余裕がなかったのね・・・ 手作り全般が苦手なわけじゃないのに・・・ ・・・・・・混ぜたり、こねたり、すり混ぜたり お菓子作りの単純作業をしていると、明るい反省のようなものがめぐってきます。 手作りは苦手どころか、手芸をテーマにした雑誌は 私のイラストのだいじな掲載先です。 編み物にパッチワーク、どれも手間と時間がかかるのに 「よっぽど余裕が…」なんて言いたくなったことはありません。 子供の頃からずっと、自分でも縫ったり編んだりしていたからでしょう。 手芸品のことは、変なやっかみの付け入る隙を作らずに 心置きなく鑑賞することができました。 親しみがない、でも気になることには、とかく難癖をつけてしまうものですね。 とりあえず、手作り菓子と和解できてよかった! 相性のいいレシピに感謝しなくては。 そりゃ、素直に楽しめることが多い方がいいですから。
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