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肉:牛肉は、なぜご馳走なのか

  • 文/田中青佳 イラスト/木村倫子
  • 2014年11月9日
  • 読了時間: 3分

食べることがとにかく好き。 朝採れ野菜最高。自然の恵みはピースフル~! ……そんな私でも、ご馳走と言えば「牛肉」。 「牛肉」と言えば、ご馳走です。 とは言え、私は昭和の終わりのほうの生まれで、 牛肉は、幼い頃から食卓にふつうに上がっていたし 青春期の90年代には、牛丼が100円玉3枚程度で食べられました。 つまり牛肉は、物心ついた頃からすでに「ふつうの食材」でした。 なのに牛肉は、未だ数ある肉の中で「格別」。 年配の方はもちろん、たぶん平成生まれの若者にとってもそうでしょう。 「高級住宅街と下町で、鶏や豚の価格は大差ないけれど、 牛肉だけは何倍も価格差がある」なんて話にも現れていると思います。 でも、なんで牛肉って、そんなに特別なんでしょう。 明治以前は食べられなかったから? 貧しかった日本が憧れた、西洋の食べ物の象徴だから? 肉屋の戦略? 昔は特別な日しか食べられなかったことの名残? 狩で獲物を獲た時代の達成感と結びついている?云々。 たぶんそのどれも正解なんですが、私が最も腑に落ちたのは 「牛肉は、最も多幸感の高い食べものである」という節。

なんでも牛肉を食べると、快感を感じたときに出る脳内物質が ドドーンババーンと放出されるらしい…という。 遠い昔に耳にしただけだし、ウソかマコトかもわかりませんが。 でも「最も幸せを感じられる食べ物だから、ご馳走」っていうのは なんだかすごく理に適っている気がするし、納得できます。

自分自身を思い返しても、肉そのものを味わう料理ほど(焼き肉とかステーキとか) 「食ったどー!」という充実感があるし、高揚する。 他の料理を口にしたときの満足感とは明らかに種類が違い、 肉の美味しさというのは五感にダイレクトにくるというか、もはや官能的。 言い訳や屁理屈は通用しない感じがします。 セクシャルな話題とは程遠い「育児の世界」ど真ん中で生きる身には 肉を食べることは唯一の性的な行為なのかも、とすら思う。 (って、これは大げさですね) そう言えば昔、焼き肉を一緒に食べる男女は関係済みなんて話もあったし、 最近でも、一緒に焼き肉を食べる異性を募集するWEB上のマッチングサービス(※)があるし、 牛肉を食すことは、暗に、時にモロに、性的なつながりを示します。 (そもそも、性的欲望のことを「肉欲」とも言うし。) 牛肉を食す多幸感と、官能的な喜び。 そこでまた結びつくのが、何とも面白く、肉らしい。 余談ですが、私の誕生日は2月9日、肉の日。 誕生日を聞かれて答えると、たいがい「ぽい~!」などと言われてきました。 33年間気にも留めず過ごしてきましたが、それは一体どういうイメージだったのか、 このままでいいのか、これを機会にちょっと考えてみようと思います…。 (※)「肉会」というWEBサービスのこと。 決して男女の交流を目的にしたものではない…そうです。

 
 
 

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